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【セミナー概要】 漢方薬を診療に使いたい医師は多いのであるが、実際に使おうとしたときには、サイエンスに基づかない理解しにくい古典的運用法がネックとなる。歴史的にみると試行錯誤で出来上がった漢方薬が先で、古典的運用法は後付けに過ぎない。古典的運用法によらないで漢方薬を処方することを邪道と非難し認めない漢方の専門家も多い。しかし漢方薬は最近の研究で、薬理学が従来想定していなかった、超多成分の全く新しいタイプの薬剤であると考えないと、漢方薬を服用したあとに患者の中で起こることを説明できないことが明らかになりつつある。 これを踏まえて、今回の医療技術セミナーでは、サイエンス漢方処方という新しい切り口で漢方薬を認識し、新しい運用法によって全ての医師が漢方薬を的確に処方できるようにしたい。 皆さま、奮ってご参加ください。 | | 13:00〜17:30
13:00-14:00 かぜ・インフルエンザと漢方処方 かぜ・インフルエンザは 2,000 年前には生死を左右したため、かぜとインフルエンザに 対する漢方治療は、一刻も早く患者を回復させるために、炎症の部位、炎症の程度、病 悩期間、患者の免疫力により、方剤選択基準が細かく規定されている。インフルエンザ はさらに重篤なので、翌日にはほぼ治るような介入法が確立されている。
14:30-15:30 老年症候群と漢方処方 老年症候群は、お年寄りに多くみられ、治療と同時に介護・ケアが重要な一連の症候を 指す。下肢血管障害、起立性低血圧などにより、転倒し骨折すると、場合によっては寝 たきりになり、家族に介護負担がのしかかる。老年症候群の症候について、ならないよ うに先手を打つ、なってしまっても何とかするという観点で対策を提示する。
16:00-17:00 Common Disease に使えるサイエンス漢方処方 日本内科学会発行のコモンディジーズブックにある、common symptom と common disease のうち、現代医学による治療で満足すべき効果が得られにくいものを選んで、効 果的な漢方治療を提案する。頭痛、浮腫、胸痛、腰背部痛、しびれ、倦怠感;感染性胃腸 炎、機能性ディスペプシア、脳梗塞、偽痛風を取り上げる。
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|  | ■講師 | 井齋偉矢 先生 | | (日高徳洲会病院 院長、サイエンス漢方処方研究会 理事長) |
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| | | | 75年 北海道大学医学部卒業。同年北海道大学第一外科に入局し現在同門。医学博士。専門は消化器・一般外科、肝臓移植外科。 88年から3年間、オーストラリア・シドニー大学オーストラリア肝移植ユニットで肝臓移植の臨床および実験に従事。帰国後、独学で漢方治療を本格的に開始。12年にサイエンス漢方処方研究会を設立し、現代医学にのみ立脚した「サイエンス漢方処方」の普及に努めている。 07年より北海道日高郡・医療法人静仁会 静仁会静内病院院長。 18年9月1日病院名を医療法人徳洲会 日高徳洲会病院に変更。
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