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実地医家のための 高血圧、腎疾患の診断と治療 2 サプリメントによる腎障害を考える|2024年7月21日(日)【第793回】

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■村澤昌 先生(行徳総合病院腎臓内科)
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【セミナー概要】
腎不全患者の管理においては、高血圧をはじめとする生活習慣病(成人病)全般の理解と、尿異常(蛋白尿・血尿)や急性腎障害(AKI)・慢性腎臓病(CKD)の診療スキルが必要である。CKDは成人の8人に1人が罹患する国民病であることから、様々な診療科においてCKD患者を目にする機会がある。
本講演では、この度の「エビデンスに基づくCKDガイドライン2023」をもとに最近のCKD診療についてポイントをまとめる。
また、昨今サプリメントによる腎障害が話題となっているが、薬剤性腎障害についても詳しく解説する。
皆様、奮ってご参加ください。
なお、今回の医療技術セミナーは、2023年2月23日に開催した同名のセミナーの2回目にあたります。

午前の部(10:00~12:00)
・CKDの診断と治療
・『CKDガイドライン2023』に基づくCKD管理の
変更点と実際
・最近の腎不全にまつわる話題(サプリメントによる
薬剤性腎障害を含む) 

セミナー要綱

セミナーNO. 793
開催日 2024年7月21日(日) 10:00~12:00 ※開場 9:30
講師 村澤昌 先生(行徳総合病院腎臓内科)
診療科目
DVD価格 5,500円(会員価格/税込)

終了したセミナーの報告と開催の模様

■ 7月21日(日)午前に開催しました第793回医療技術セミナー『実地医家のための 高血圧、腎疾患の診断と治療2-エビデンスに基づく新CKDガイドライン(2023)による診療ポイント/サプリメントによる腎臓障害・健康被害を考える』は盛会裏に終了しました。
講師には、行徳総合病院腎臓内科 村澤昌先生をお招きしました。昨年の2月23日以来の2回目のご出演です(『実地医家のための腎疾患の診断と治療』 #725)。今回の企画・開催は、3月以降、小林製薬の紅麹を使用したサプリメントによる健康被害、特に腎臓疾患を中心とした被害が生じていることに鑑み、解説をお願いしたことから始まりました。これにプラスして5月22日に「エビデンスに基づくCKD(慢性腎臓病)診療ガイドライン2023」が刊行されたこともを受け、合せて解説していただくことになりました。
今回のセミナーの講義の組立ては以下の通りでした。
1.慢性腎臓病CKDの診断と治療   
2.『CKDガイドライン2023』に基づくCKD管理の変更点と実際
3.最近の腎不全にまつわる話題(サプリメントによる健康被害) 
本邦における慢性腎臓病CKDの患者は1,330万人で、成人の1/8人がCKD。また、高血圧患者が4,000万人、糖尿病患者が1,000万人と言われており、その疾患を複合的に合せて持つ患者の診療に興味深いモノがあります。CKDの病態としては、①尿異常であり、画像診断、血液検査、病理診断で腎障害が明らかとなる。(特に、0.15g/g4Cr異常の蛋白尿、30mg/bCr異常のアルブミン尿の存在が重要)。また、②GFR値<60mL/分/1.73m2(eGFRの正式名称は、糸球体濾過量であり、腎臓の糸球体が一分間にどれだけ血液を濾過したか、ということを示す値ですので、GFRは、腎臓が一分間にどれだけの血液を処理して毒素を排出することができるかの値を示します。)
次に、小林製薬により製造・販売された「紅麹サプリメント」は、厚生労働省、消費者庁による「栄養や保険機能に関する食品表示制度とは」により定められている「保健機能食品」「特別用途食品」「一般食品」としてすべてサプリメントに位置付けられ、うち「保健機能食品」と「特別用途食品」の一部に定められている「栄養機能食品」「機能性表示食品」「特定保健用食品(トクホ)」の中で、「機能性表示食品」に該当するという。つまりサプリメントは薬剤でもない“食品”扱いであり、今回は紅麹自体が問題ではなくて、製造工程で異物混入があり、健康被害が生じたものと推測されている。健康被害としては倦怠感、食思不振、尿の異常などを始めとする腎障害をまねいた結果、相談機関には多くの相談が寄せられ、5人の死亡を含め関連被害者も279名(7月現在)という。また、小林製薬から管轄の厚生労働省への報告も遅れたり、重大な部分が隠されていた部分も含めて問題は大きく、まだまだ被害者は増えそうである・・・というのが実態のようです。今後の調査を待つことにします。なお、内閣府の食品安全委員会では、“食品”であっても安全ではない、量を摂り過ぎても・・・といった各種の注意事項が告知されている中で、「“健康食品”は医薬品ではありません。品質の管理は製造者任せです」という文言は興味深いものです。
質疑では以下の質疑が行われましたが、ここでは一部の質問のみを記し、回答を希望される方、興味ある方はDVDないし動画をお買い求めいただきまして、ご確認下さい。
Q1.間質性腎炎という言葉の概念についてお教えください。 Q2.紅麹サプリによる健康被害は、特に腎臓がやられているということでは、近位尿細管がやられているということでしょうか? Q3.腎機能が落ちてきてのリンの機能、体にとってどうして必要なのか、リンが上がるとどうして問題なのか、リン摂取制限について教えてください。 Q4.高齢者の筋肉量の落ちてきているDKD患者さんの蛋白摂取制限について、解説してください。G4位までくらいを基準とするものですか? Q5.SGLT2阻害薬の摘要についてですが、蛋白尿がなくて、微量アルブミンがなくて、G3aで治療を始めることも有り得るものでしょうか? Q6.75歳以上の方のDKDですが、心不全を考慮し降圧目標を130と考えて、降圧剤エンベストを処方しておりますが、血圧が低い時、夏場等、抜いても大丈夫でしょうか? Q7.RAS系やミネラルコルチコイド拮抗薬を使っている患者さんですが、カリウムが上がって来た時のカリウム吸着薬の使い方をお教えください。 Q8.IgA腎症と何年も前に診断されている患者さんにコメディアンを何年も使っているのですが、切り時を考えているですがじゃかがでしょう? Q9.GLP1作動薬使用によりeGFRのfirst dipは起こることありますか? Q10.ある薬剤が腎臓に障害を来しているかどうかをスクリーニングするには通常検尿、eGFRのみで良いですか? 間質性腎障害を見つけるためには他にどうすれば良いですか? Q11.どの抗生剤がAKIを起こしやすいですか? Q12.たまたま、日本腎臓病薬物療法学会HP:単位表記の修正とお詫びで見かけたのですが、eGFRcreat mL/min/1.73m2・体表面積未補正eGFRcreat→mL/min・CCR(CG式)→mL/min・体表面積補正CCr*→mL/min/1.73m2と言うのがありますが、各々の使用目的の違い等 解説をお願いできますか? Q13.尿β2MGなどが高い場合、どのような原因を考えれば良いですか? 次に、どのような検査をすれば良いですか? Q14.RAS系阻害剤内服中脱水でAKIを来した場合、脱水治療などで改善後RAS阻害剤を再開して良いですか? Q15.尿蛋白の多い患者はeGFR低下のリスクになるというのは尿蛋白そのものが腎臓を傷害するのですか? 尿蛋白を減らすことにより、eGFR低下速度が落ちるのですか? あるいは尿蛋白減少がeGFRがよくなることもありますか? Q16.糖尿病患者で腎機能が悪化してくる時に使用出来る薬等列挙いただけますか? 最終的にはインスリンくらいでしょうか? また、カリウムKの値がいくつくらいまでならARNIなど投与は可能ですか?  
                  

■村澤昌 先生(行徳総合病院腎臓内科)
  <略歴>
10年3月 聖マリアンナ医科大学医学部卒業
10年4月 昭和大学藤が丘病院
12年4月 聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科
14年4月 稲城市立病院腎臓内科
18年4月 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院腎臓・高血圧内科
20年4月 聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科
22年4月 行徳総合病院腎臓内科(現職)
<資格>
医学博士
日本内科学会認定内科医、総合内科専門医
日本透析医学会専門医、指導医
日本腎臓学会専門医、指導医
日本抗加齢医学会専門医
日本腹膜透析医学会認定医
難病指定医
臨床研修指導医
日本透析医学会VA血管内治療認定医
腎代替療法専門指導士
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今回は、新しくまとめられた『CKD診療ガイドライン2023』にもとづくCKD診療の変更点と診療スキルを学びます

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