頭皮の日焼けは髪や薄毛に影響する?予防法と日焼け後のケアを解説

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頭皮の日焼けは、炎症や乾燥を引き起こし、髪や頭皮環境に悪影響を与えるため予防が必要である。とくに分け目・つむじ・生え際は紫外線を直接受けやすい。日焼け後に強い痛みや水ぶくれがある場合は、自己判断で放置しないことが重要だ。帽子や日傘、頭皮用日焼け止めを活用し、症状が出たら早めに冷却・保湿しよう

この記事のポイント
  • 頭皮の日焼けは炎症や乾燥を招くため、事前の対策が必要である
  • 分け目やつむじ、生え際は紫外線を受けやすく、とくに注意が必要だ
  • 帽子や日焼け止めで予防し、日焼け後は冷却と保湿を行う

頭皮の日焼けが髪や薄毛に与える影響と、紫外線を防ぐ方法が分かる。日焼け後に行うべきケアや受診の目安も確認できる。

目次

頭皮も日焼けするのか?

頭皮も顔や腕と同じように日焼けする。頭は体の中でも太陽光を受けやすい位置にあり、髪型や毛量などの条件によっては、顔以上に紫外線の影響を受けることもある。ここでは、頭皮の中でも紫外線が当たりやすい部分について確認していく。

髪に覆われている部分は紫外線が届きにくい

髪の毛には、紫外線が頭皮へ直接当たるのを防ぐバリアのような役割がある。髪が十分な密度で生えている部分は地肌が隠れているため、顔や腕と比べると、短時間で赤くなったり炎症が起きたりするケースは少ない。

しかし、髪が生えていれば頭皮が日焼けしないわけではない。

紫外線は太陽から直接降り注ぐだけでなく、地面や建物に反射した散乱光としても頭皮に届く。髪の隙間から紫外線が入り込めば、地肌がダメージを受ける可能性があるのだ。

とくに注意したいのが、髪が濡れている状態や、髪が細く毛量が少ない部分である。髪が束になって地肌が見えやすくなると、紫外線が頭皮まで届きやすい。また、頭皮を覆うことで紫外線を受け止めた髪も無傷ではない。髪表面のキューティクルが傷つき、乾燥やパサつき、切れ毛などにつながることがある。

そのため、「髪があるから頭皮の日焼け対策は不要」と判断するのは適切ではない。髪には紫外線の直撃を軽減する働きがあるものの、すべてを完全に遮断できるわけではないのである。

※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
※参考:CiNii Research 渡辺智子「毛髪の紫外線ダメージ」(日本化粧品技術者会誌48巻4号)

分け目・つむじ・生え際は日焼けしやすい

頭皮は場所によって、日焼けのしやすさが異なる。

なかでも紫外線の影響を受けやすいのが、地肌が見えやすい分け目・つむじ・生え際の3か所である。

頭頂部は太陽光をほぼ真上から受けるため、ほかの部分よりも紫外線が集中しやすい。特に、毎日同じ位置で髪を分けている人は注意が必要だ。分け目に沿って紫外線を浴び続けることで、その部分だけ赤くなったり、皮がむけたりする場合がある。屋外でスポーツやレジャーを楽しんだあとに、分け目だけがヒリヒリするのは代表的な症状といえる。

生え際も、髪や帽子で完全に覆いにくい場所である。そのため、額と同時に日焼けしやすく、気づかないうちに紫外線ダメージが蓄積することも少なくない。

また、つむじは自分では確認しにくいため、日焼けしていても発見が遅れやすい部位だ。頭皮の日焼けが気になる人は、まず分け目・つむじ・生え際を重点的に対策するとよいだろう。

※参考:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q5 光老化は普通の老化とどう違うのですか?」
※参考:気象庁「紫外線による健康被害の予防」

薄毛になると頭皮が日焼けしやすくなる

薄毛が進行すると、髪が持つ紫外線へのバリア機能が低下し、頭皮が直接紫外線にさらされる範囲が広がる。とくに髪のボリュームが減りやすい頭頂部や生え際は、肌が露出しているのと近い状態になるため、短時間の外出でも日焼けする可能性がある。

頭皮が日焼けによって炎症を起こすと、かゆみや痛み、ヒリつきなどが現れやすい。また、地肌の赤みが目立つことで、見た目が気になる人も少なくない。

実際に、薄毛を意識し始めた人からは、「頭頂部だけが赤くなる」「外に出たあと頭皮がヒリヒリする」といった悩みが生じることがある。こうした日焼けを何度も繰り返すと、炎症や乾燥によって頭皮の状態が悪化しやすくなる。

このように、薄毛になると頭皮は紫外線の影響を受けやすくなり、炎症や乾燥などの頭皮トラブルが起こりやすくなる。髪が以前より薄くなったと感じる人ほど、頭皮の紫外線対策を優先的に行うことが重要である。

※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
※参考:気象庁「紫外線による健康被害の予防」
※参考:日本化粧品技術者会(SCCJ)「化粧品用語集:毛髪のダメージ」

頭皮の日焼けで薄毛・AGAになる?

頭皮が日焼けした際、多くの人が気になるのは「薄毛やAGAの原因になるのか」という点だろう。日焼けによってすぐにAGAを発症するとは考えにくい。ただし、紫外線によるダメージが頭皮の状態に悪影響を与える可能性はある。ここから詳しく見ていこう。

日焼けがAGAを直接引き起こす根拠は確認されていない

現時点では、頭皮の日焼けや紫外線がAGA(男性型脱毛症)の直接的な原因になるという明確な医学的根拠は示されていない

AGAの発症には、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)や遺伝的な要素が深く関係している。DHTを生成する酵素の働きやすさなど、もともとの体質が発症のしやすさを左右すると考えられており、日焼けとは異なる仕組みで進行する。

そのため、頭皮を一度日焼けしただけで薄毛やAGAが始まると過剰に心配する必要はないだろう。

ただし、日焼けがAGAの直接的な原因ではないからといって、髪や頭皮にまったく影響がないわけではない。紫外線によって炎症や乾燥が起これば、頭皮環境が乱れる可能性がある。AGAを引き起こすことと、頭皮にダメージを与えることは別の問題として理解しておくことが大切である。

※参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

紫外線による炎症や乾燥で頭皮環境が乱れる可能性がある

紫外線を浴びた頭皮では、炎症や乾燥が起こりやすくなり、皮膚のバリア機能も低下しやすい。こうしたダメージが繰り返されると、頭皮は慢性的に刺激を受け、髪が育つための環境が徐々に悪化するおそれがある。

また、紫外線は皮膚の細胞に酸化ストレスを与えることが知られている。頭皮環境の悪化を通じて、毛髪の成長に影響を及ぼす可能性が考えられている。強い紫外線による炎症をきっかけに、一時的な休止期脱毛が起こる可能性があると考えられている。こうした頭皮へのダメージが関係していると考えられる。

一時的な抜け毛であれば、頭皮の状態が回復するにつれて落ち着くケースが一般的だ。ただし、日焼けを何度も繰り返すと、紫外線による負担が蓄積しやすくなる。健康な髪を保つためにも、日頃から頭皮を紫外線から守る習慣をつけることが重要である。

※参考:日本毛髪科学協会「毛髪を知る 髪の寿命(ヘアサイクル)」
※参考:環境省「参考資料1.紫外線による人の健康への影響」

抜け毛が長引く場合は日焼け以外の原因も考える

日焼け後に増えた抜け毛が数週間ほどで治まるのであれば、必要以上に不安になることはないだろう。一方、抜け毛が数カ月にわたって続く場合や、生え際や頭頂部の薄さが目立ってきた場合は、日焼け以外の原因も視野に入れる必要がある。

代表的な原因の一つがAGAである。AGAは少しずつ進行する脱毛症であり、そのままにして自然に改善する可能性は高くない。ほかにも、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎、栄養不足、ストレスなどが抜け毛につながることもある。

抜け毛は原因によって必要な対処が大きく異なるため、まずは何が影響しているのかを見極めることが大切だ。「日焼けによる一時的なものだろう」と自己判断して放置すると、本来必要な治療やケアが遅れる可能性がある。

抜け毛が長期間続くときは、皮膚科やAGA治療を行う医療機関に相談するのがよいだろう。

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※参考:日本皮膚科学会「円形脱毛症診療ガイドライン2024」
※参考:兵庫県医師会「脂漏性皮膚炎で髪の毛が抜ける」

頭皮が日焼けしたときに起こりやすい症状

頭皮の日焼けで現れやすい症状を把握しておけば、異変に早く気づき、適切なケアにつなげやすい。代表的な症状は、次の5つである。

赤み・ヒリヒリ感・痛み

頭皮が日焼けした直後に出やすいのが、赤みやヒリヒリとした痛みである。紫外線による日焼けは、皮膚が軽いやけどを負った状態だ。症状は紫外線を浴びてから徐々に現れ、数時間から24時間ほどで強くなることがある。

日焼けした頭皮は刺激に敏感になっているため、軽く触れただけでも痛みを感じる場合がある。枕に頭をつけたときや、髪を動かしたときにつらさを感じる人も少なくない。

頭皮は髪に隠れているため、赤みに気づきにくい部位だ。シャンプーやブラッシングの際にしみたり、触れると熱っぽく感じたりして、初めて日焼けを自覚するケースもある。

赤みや痛みが残っている間は、頭皮で炎症が続いている可能性が高い。冷却や保湿などのケアを行い、できるだけ早く炎症を落ち着かせることが大切である。

※参考:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q4 日焼けはどうして起こるのですか?」

乾燥・フケ・皮むけ

日焼けから数日が経過すると、頭皮の乾燥やフケ、皮むけが目立つことがある。

紫外線によって頭皮の水分が失われ、皮膚を守るバリア機能が低下するためだ。

さらに、ダメージを受けた表皮を新しく入れ替えようとして、ターンオーバーと呼ばれる皮膚の生まれ変わりの周期が乱れる場合もある。その結果、古い角質がまとまってはがれ、フケや皮むけとして現れやすくなる。

日焼け後に出るフケは、乾燥した角質がはがれたものであり、一般的なフケとは原因が異なる。肩に落ちる細かな白い粉が急に増えた場合は、頭皮が紫外線ダメージを受けている可能性を考えるとよいだろう。

皮がむけ始めても、無理にはがしてはいけない。回復途中の皮膚まで傷つけてしまい、炎症の悪化や跡が残る原因になるおそれがある。保湿を続けながら、自然にはがれ落ちるのを待つことが基本だ。

かゆみ・ほてり

日焼け後の頭皮は、炎症やバリア機能の低下によって、かゆみやほてりが起こりやすい。水分を失った頭皮は外部からの刺激に弱くなっており、汗やシャンプーの成分など、普段は気にならない刺激にも反応することがある。

かゆみがあっても、爪を立ててかくのは避けたい。弱った頭皮に傷がつくと、炎症が強くなったり、細菌が入り込んで感染を起こしたりする可能性があるためだ。

かゆみが強いときは、かく代わりに患部を冷やして刺激を和らげるとよい。眠っている間に無意識にかいてしまうこともあるため、あらかじめ爪を短く整えておくことも対策になる。

ほてりが続いている場合は、頭皮の内部で炎症が残っているサインと考えられる。長風呂や飲酒、激しい運動など、体温を上げる行動はできるだけ控えるのが望ましい。

髪のパサつき・切れ毛

紫外線の影響を受けるのは、頭皮だけではない。髪の表面を覆うキューティクルも紫外線によって傷つき、内部の水分やタンパク質が失われやすくなる。

その結果、髪のパサつきやごわつき、切れ毛、枝毛などが起こることがある。手触りが急に悪くなったり、髪がまとまりにくくなったりした場合は、紫外線ダメージが関係している可能性がある。

また、紫外線は髪の色素であるメラニンにも影響を与える。長時間日差しを浴び続けると、髪が赤茶色に変化したり、カラーリングの色落ちが早まったりすることもある。

髪は頭皮と違って痛みを感じないため、ダメージに気づきにくい。髪の乾燥やパサつきが気になる場合は、頭皮とあわせて髪の紫外線対策も見直す必要がある。

※参考:日本化粧品技術者会(SCCJ)「化粧品用語集:毛髪のダメージ」

重症になると水ぶくれができる場合もある

強い紫外線を長時間浴びると、頭皮に水ぶくれができることがある。これは、日焼けによる損傷が皮膚の深い部分まで及んでいるサインであり、軽い赤みやヒリつきよりも重い状態である。

水ぶくれができても、自分で潰してはいけない。内部の液体には傷ついた皮膚を守る役割があり、潰すと回復が遅れるだけでなく、傷口から細菌が入り感染を起こすおそれがある。

頭皮は髪や櫛が触れやすく、水ぶくれが破れやすい場所でもある。できるだけ刺激を避け、清潔なガーゼなどで軽く保護することが大切だ。

水ぶくれができるほどの日焼けは、セルフケアだけで対処するのが難しい。強い痛みや発熱を伴う場合も含め、できるだけ早く皮膚科を受診するのがよいだろう。

※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

頭皮の日焼けを予防する4つの方法

頭皮の日焼けは、日頃のちょっとした工夫で予防しやすくなる。ここでは、すぐに始められる代表的な4つの対策を紹介する。

予防法特徴注意点
頭皮・髪用の
日焼け止めスプレー
分け目やつむじへ直接使いやすい2〜3時間を目安に塗り直す必要がある
帽子頭部全体を物理的に覆える蒸れによる頭皮トラブルに注意する
日傘頭皮だけでなく顔や首も広くカバーできる地面からの照り返しや横からの紫外線は防ぎきれない
髪の分け目を変える費用をかけず、すぐに実践できるこの方法だけでは十分な対策になりにくい

頭皮・髪用の日焼け止めスプレーを使う

頭皮の紫外線対策として取り入れやすいのが、頭皮や髪に使える日焼け止めスプレーである。スプレータイプやミストタイプは髪がべたつきにくく、分け目やつむじなど、地肌が見えやすい部分にも吹きかけやすい。

製品を選ぶ際は、SPFやPAの表示を確認し、外出前に頭部全体へムラなく使うとよいだろう。

ただし、日焼け止めの効果は一日中続くわけではない。汗をかいたり、帽子との摩擦で落ちたりするため、長時間屋外にいる場合は、2〜3時間ごとを目安に塗り直すことが大切だ

使用時は、髪の表面だけでなく、髪をかき分けて地肌まで届かせることがポイントとなる。毎日同じ場所で髪を分けている人や、頭頂部のボリュームが気になっている人は、頭皮が露出している部分を重点的にカバーするとよい。

※参考:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q13 サンスクリーン剤の使い方」

帽子をかぶる

帽子は、頭皮を物理的に紫外線から守れる代表的な方法である。選ぶなら、つばが広く、頭の周囲を覆えるハットタイプが使いやすい。

キャップは前方の紫外線を防ぎやすい一方、耳や後頭部、首筋が無防備になりやすい。つばが全周に付いた帽子であれば、生え際から首まわりまで広くカバーできる。UVカット加工が施されたものや、目の詰まった生地を選ぶと、より高い遮蔽効果が期待できるだろう。

一方で、夏場は帽子の中に熱や湿気がこもりやすい。汗や皮脂がたまると、雑菌が増え、かゆみやにおいなどの頭皮トラブルにつながることがある。そのため、通気性のよい素材を選び、適度に帽子を外して換気することが大切だ。汗をかいたときはこまめに拭き取るとよい。折りたためるタイプなら持ち運びやすく、屋内外を頻繁に移動する日にも使いやすい。帽子を活用する際は、紫外線対策と蒸れ対策を同時に行う必要がある。

※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

日傘を使う

日傘は、頭皮だけでなく、顔や首筋まで広い範囲を日差しから守れる方法だ。帽子と異なり、髪型が崩れにくく、頭部が蒸れにくい点もメリットである。

現在は男性向けの日傘も選びやすくなっており、晴雨兼用タイプであれば通勤や外出時にも取り入れやすい。強い日差しを遮ることで体感温度を下げやすく、紫外線対策と暑さ対策を同時に行える点も魅力だ。

日傘を選ぶ際は、UVカット率や遮光率の表示を確認するとよい。傘の内側が黒色や濃い色のものは、地面から反射した光を吸収しやすく、顔や頭部への照り返しを抑えやすい。

ただし、日傘だけですべての紫外線を防ぐことは難しい。アスファルトなどからの照り返しや、横方向から届く散乱光までは完全に遮れないためだ。日差しが強い日は、日焼け止めスプレーなどと組み合わせることで、よりしっかりと対策できるだろう。

※参考:気象庁「紫外線による健康被害の予防」

髪の分け目をこまめに変える

費用をかけず、すぐに始められる方法が、髪の分け目を定期的に変えることだ。同じ位置で分け続けると、その部分の頭皮ばかりが紫外線を浴び、ダメージが集中しやすくなる。

分け目を数日ごとに少しずつずらせば、特定の場所に紫外線が当たり続けるのを防ぎやすい。また、一直線に分けるのではなく、ジグザグに分けるだけでも地肌の露出を抑えられる。

分け目を変えることで髪の根元が立ち上がり、全体にボリュームが出やすくなるという利点もある。

ただし、この方法だけで頭皮の日焼けを完全に防ぐことはできない。紫外線が強い日は、日焼け止めスプレーや帽子、日傘などと併用することが重要だ。通勤や外回りなどで日常的に日差しを浴びる人は、習慣の一つとして取り入れるとよいだろう。

※参考:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q13 サンスクリーン剤の使い方」
※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

頭皮が日焼けしたときの対処法

頭皮が日焼けしてしまった場合は、症状を悪化させないための早めの対応が重要である。基本となるのは、「冷やす・保湿する・刺激を避ける」の3点だ。ここでは、具体的な対処法を順番に解説する。

頭皮を十分に冷やす

日焼けに気づいたら、まず頭皮を冷やすことが大切だ。

日焼けは皮膚が軽いやけどを負っている状態であり、熱をもった部分を冷却することで、炎症の広がりを抑え、痛みやかゆみをやわらげる効果が期待できる。

冷やす方法としては、ぬるめのシャワーをやさしく当てる、冷水で濡らしたタオルを患部に乗せる、保冷剤を布で包んで当てるといった方法がある。氷や保冷剤を直接頭皮に触れさせると、冷えすぎてかえって負担になるため、必ずタオル越しに使用しよう。

1回につき10〜15分程度を目安にし、ヒリつきや熱っぽさが落ち着くまで数回に分けて冷やすとよい。外出先で十分に冷却できない場合でも、日陰へ移動し、濡らしたハンカチを当てるだけで応急処置になる。冷やしたあとは、保湿ケアへ移ろう。

※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

頭皮をやさしく保湿する

冷却によって炎症が落ち着いてきたら、次に頭皮の保湿を行う。紫外線を浴びた頭皮は水分が不足し、皮膚のバリア機能も低下している。保湿によってうるおいを補えば、乾燥によるかゆみやフケを抑え、回復を助けやすくなる。

使用するなら、頭皮用ローションや敏感肌向けの低刺激な保湿剤が適している。アルコールを多く含む育毛トニックや、清涼感の強い製品は刺激になる場合があるため、日焼け直後の使用は避けたほうがよい。

保湿するタイミングは、入浴後など頭皮が清潔なときが適している。塗る際は強くこすらず、指の腹で軽く押さえるようになじませよう。

ただし、水ぶくれや傷、ただれがある部分には自己判断で保湿剤を使わないほうがよい。症状を悪化させる可能性があるため、その場合は皮膚科への相談を優先すべきである。

※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

低刺激のシャンプーで丁寧に洗う

日焼け後は、シャンプーの種類や洗い方にも注意が必要だ。洗浄力が強い製品を使うと、弱った頭皮に必要な皮脂まで洗い流し、乾燥や刺激を悪化させることがある。アミノ酸系など、洗浄力が穏やかなシャンプーを選ぶとよいだろう。

洗髪時は熱いお湯を避け、ぬるま湯を使うことが大切だ。爪を立てず、指の腹を使って頭皮をこすらないように洗う。シャンプーが残るとかゆみの原因になるため、すすぎは丁寧に行いたい。

洗う回数は1日1回程度にとどめ、必要以上に洗わないことも重要である。痛みが強い場合は、無理にシャンプーを使わず、ぬるま湯だけで軽く流す方法もある。

洗髪後にドライヤーを使う場合は、頭皮から距離を取り、低温または冷風で乾かすとよい。熱風を近距離から当てると、炎症や乾燥をさらに悪化させるおそれがある。

皮をむいたり頭皮を強くこすったりしない

日焼けから数日たつと、頭皮の皮がむけ始めることがある。しかし、浮いた皮を手で引っ張ったり、フケを落とそうとして頭皮を強くこすったりしてはいけない。

はがれかけた皮膚の下では、新しい皮膚がまだ作られている途中である。無理にむくと未熟な皮膚まで傷つき、炎症の悪化や色素沈着、細菌感染につながる可能性がある。回復が遅れれば、乾燥やかゆみも長引きやすい。

ブラシや櫛を頭皮に強く当てるのも避けたい。皮むけは皮膚のターンオーバーに伴って自然に落ち着いていくため、保湿を続けながら無理に触れずに待つことが基本となる。

浮いた皮が目立つ場合も、引っ張ってはがすのではなく、頭皮を傷つけないよう慎重に扱うことが大切だ。

※参考:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q4 日焼けはどうして起こるのですか?」

症状が強い場合は皮膚科を受診する

赤みやヒリつきが軽く、徐々に改善している場合は、冷却や保湿などのセルフケアで様子を見られることもある。一方、次のような症状がある場合は、早めに皮膚科を受診したほうがよい

  • 水ぶくれやただれがある
  • 強い痛みで眠れない
  • 発熱、悪寒、吐き気などを伴う
  • 数日たっても赤みや痛みが改善しない

広い範囲で強い日焼けをすると、皮膚だけでなく体全体の水分状態にも影響し、体調不良につながる可能性がある。重い症状があるときは、無理に自宅で対処を続けないことが重要だ。

また、日焼け後に抜け毛が増え、その状態が数カ月続く場合も受診を検討したい。AGAや皮膚疾患など、日焼け以外の原因が隠れている可能性があるためだ。皮膚科では、症状に応じて炎症を抑える外用薬などの処置を受けられる。市販薬の選び方に迷う場合も、専門医へ相談することが改善への近道となるだろう。

※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
※参考:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q4 日焼けはどうして起こるのですか?」

頭皮の日焼けに関するよくある質問

最後に、頭皮の日焼けについてよくある質問へ回答する。

顔や体用の日焼け止めを頭皮に塗ってもいいですか?

成分のうえでは使用できるが、クリームやジェルタイプは髪に絡んでムラになりやすく、べたつきや洗い残しの原因にもなる。頭皮には、頭皮・髪用のスプレータイプを使うのが実用的だ。なお、髪のない生え際や、地肌が広く露出している部分には、顔用の日焼け止めをそのまま塗っても問題ない。

日焼け止めを使うと薄毛になりますか?

日焼け止めの使用が薄毛の原因になるという医学的根拠はない。むしろ、紫外線を無防備に浴び続けるほうが頭皮環境には悪影響だ。ただし、肌に合わない製品でかぶれやかゆみが出た場合は使用を中止し、洗い流したうえで別の製品に切り替えるか、皮膚科に相談するとよい。

頭皮が日焼けした日にシャンプーしてもいいですか?

シャンプー自体は問題ない。汗や皮脂、日焼け止めを残したままにするほうが、頭皮への負担になる。ただし、ぬるま湯と低刺激のシャンプーでやさしく洗い、熱いお湯や爪を立てた洗い方は避けよう。強い痛みや水ぶくれがある場合は無理に洗わず、シャワーで流す程度にとどめたい。

頭皮の日焼けは何日程度で治りますか?

軽度の赤みやヒリつきであれば、適切なケアを行うことで数日〜1週間程度で落ち着くことが多い。皮むけを含めると、1〜2週間かかる場合もある。ただし回復のスピードには個人差があり、1週間以上たっても赤みや痛みが続く場合は、皮膚科の受診が望ましい。

※参考:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q4 日焼けはどうして起こるのですか?」

曇りの日や冬でも頭皮の日焼け対策は必要ですか?

必要だ。紫外線は雲を通り抜けるため、薄い雲程度であれば紫外線の8割以上が地上に届くとされている。また、冬でも紫外線量はゼロにはならない。夏ほど神経質になる必要はないが、屋外で長時間過ごす日は、季節や天気を問わず帽子や日焼け止めを取り入れることが望ましい。

※参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」

この記事を書いた人

『日本メディカルスキルアップ』は、2009年から、開業医・勤務医・研修医の先生方を対象に、明日の診療にすぐ役立つセミナー(講習会・研修会)を対面およびオンラインで企画・運営してきました。本メディアでは、その経験をいかし、近年注目を集める「オンライン診療」、とくにAGA(男性型脱毛症)治療のオンライン診療に関する最新情報から基礎知識、クリニック選びのポイントまでを、わかりやすくお届けしています。

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